両社は今回の本業務資本提携により、下記について具体的な諸施策の展開についての検討を進めていくとしています。
(1)メタバースを用いた新しい学習サービスの協働開発・展開
学研グループは富士ソフト株式会社との共同実証により開発したバーチャル教育空間「FAMcampus」を利用したオンライン学習塾の展開を始めております。FAMcampusでは、自分のアバターがバーチャル上の学習塾に登校し、授業や自習、面談など、リアルの学習塾に通うのと同等のサービスを受けることができます。このメタバース空間で当社がもつ個別指導のノウハウを用いた新しい学習サービスについての協働開発・展開を目指します。
(2)教室・学習塾の連携
学研グループが全国で展開をする「学研教室」やグループ傘下の進学塾・学習塾と、当社が展開する 「城南コベッツ」「城南医志塾」「城南推薦塾」はそれぞれ特長があり、相互の補完が可能な関係にあります。子どもたち一人ひとりの学習到達度に適した両社のカリキュラムを相互に紹介していくことで、幼児から小学生、中学生、高校生を対象とする幅広い教育ニーズに応えることが可能になります。
(3)英語学習コンテンツ・サービスの協働開発
学研グループには、学習参考書や辞書・辞典等の英語出版物やオンライン英会話サービス、東京都英語村 (TGG)など、さまざまな英語コンテンツ、サービスがあります。また、当社には、TOEFL®Test、IELTS対策専門校「リンゴ・エル・エル・シー」やフォニックス・メソッドを用いた「ズー・フォニックス・アカデミ ー」があり、英語指導に定評があります。英語学習市場は今後も拡大することが想定しており、両者の強みをいかした新コンテンツ・サービスの協働開発を目指します。
(4)学習アセスメントの共同開発・制作・普及
学研グループでは、「思考力、判断力、表現力」を見える化する学習アセスメント「明日の学力」診断 (「あすがく」)があり、すでに年間10万人に受検いただいております。一方、当社には算数指導に強みをもつ「りんご塾」の運営や、小中学校の教科書に対応するオンライン学習商材「デキタス」などの教材開発部門があり、新しい教育への対応を積極的に行っております。アセスメント領域での協力体制を構築し、「あすがく」の進化・深化を実現し、さらなる普及を目指します。
(5)乳幼児を対象とした教育サービスの連携
学研グループでは、豊富な乳幼児向け出版コンテンツに加え、幼稚園・保育園向け月刊誌や備品の販売など未就学領域は教育事業の大きな柱です。当社グループは、0~5歳児を対象にした育脳教室「くぼたのうけん」やインターナショナルスクール「ズー・フォニックス・アカデミー」など、未就学児への能力開発の知見を有しております。また、両社は保育園事業も積極的に展開しています。さまざまな場やコンテンツ、ノウハウの活用および両社のカリキュラムを相互に紹介していくことなどを通して、両社のお客さまにより満足いただけるようサービスの連携を積極的に図ってまいります。
(6)社会人を対象とした新教育サービスの開発・普及
学研HDは2020年11月に策定した中期経営計画『Gakken 2023』において、教育分野においては社会人事業への注力を重点施策としております。企業向け研修サービスを手掛ける学研グループの「TOASU」(旧・ ジェイテックスマネジメントセンター)と当社グループの「アイベック」の連携や、社会人向け英語学習サービスの協働開発などにより、人生100年時代における学習環境づくりを通して新たな売上・利益の創出を目指します。